歯周病は、虫歯と同じく歯を失う原因として知られています。患者さんのお口の中のトラブルだけでなく、全身疾患に大きな影響を与える歯周病は、全身疾患にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は、歯周病と全身疾患について解説します。

歯周病と全身疾患の関わり

歯周病を防ぐためにできることは？

歯周病を防ぐには、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、定期メンテナンスは数ヶ月に一度の周期ですから、日々のメンテナンスが重要になります。基本的に歯科医院やクリニックでは、歯科衛生士による専門的なケアや日々の歯磨きアドバイスなどを受けることができます。

歯周病は初期段階で手を打つことがとても重要です。定期的に検診を受けて現状を常に把握し、小さな変化にもいち早く気づくためにぜひ検診を受けることをオススメします。

歯周病が関連する疾患について

歯周病に関連する全身疾患には、糖尿病やメタボリックシンドローム、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症があります。また、早期低体重児を出産してしまう可能性があるなど、妊婦さんへの影響も考えられます。

糖尿病

歯周病と糖尿病は、とても関連性が深い病気です。歯周病は、歯周病菌が血糖値を下げようとするインスリンの働きを悪化させ、血糖コントロールが悪くなることで糖尿病が重症化することもあります。このことから、糖尿病治療のために歯周病を改善するという方法も十分にあり得ます。

メタボリックシンドローム

心疾患

心疾患が重症化すると、歯周病菌による炎症から血栓ができてしまうことがあります。血栓ができると、そこから動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などを引き起こしたり心臓の内側にある「心内膜」に炎症を引き起こすことで、細菌性心内膜炎が起こるケースも考えられるため、注意が必要です。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎を起こすと、誤嚥を起こした際に唾液中に含まれる歯周病菌が器官に入り込んで炎症を起こすことが考えられます。特に、高齢者や免疫力が低下している人は嚥下機能が低下することで誤嚥性肺炎が引き起こされ、重度の炎症を引き起こすリスクが高く、命に関わるケースもあるため注意が必要です。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、高齢の方に多く、転倒などによる骨折で日常生活に悪影響を与えてしまう病気ですが、歯周病の患者さんとそうでない患者さんを比較すると、歯周病を患っている人の方が歯を支えている骨の減少や歯周病の進行が早いと言われています。そのため、自分の歯で噛む力が弱まったり、バランスよく食事を取ることができなくなり、さらに体全体の骨密度が低下するなど、悪循環に陥ります。

妊娠中の方も要注意です

妊娠中は、体調不良やつわりなどの症状から、歯磨きができなかったりホルモンバランスが崩れてしまうことで歯周病になりやすいと言われています。しかし、歯周病菌は陣痛や子宮の収縮などを促進させ、早期低体重出産の確率が高まるとも言われているため、注意が必要です。あくまでも体調を優先しつつも、気分の良い時は歯を磨いたり検診を受けるなど、無理なくケアをするようにしましょう。

当院にご相談ください

今回は、歯周病と全身疾患の関係性についてのお話でした。歯周病は口だけの問題ではなく、全身に悪影響を及ぼします。ぜひ、早めに処置をして健康な口内環境を整えることで、全身も健康な状態を保ちましょう。

当院では、患者さんの体調や病状に合わせた治療やメンテナンスのご提案をさせていただきます。お気軽にご相談ください。

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