有病者歯科とは

有病者歯科とは、全身疾患を有する方のための歯科治療であり、全身の状態をモニターでチェックしながら治療したり、日頃飲んでいる薬を考慮しながら使用するお薬などを配慮しながら治療するものです。

お口の健康は生活の質に大きく影響しますから、全身疾患の方でも安心して歯科治療を受けることで、末長く健康な生活を送ることができます。

注意すべき疾患について

有病者歯科で治療を受けることをオススメする疾患は、主に次のとおりです。

心臓疾患

狭心症や心筋梗塞など、心臓疾患の既往歴がある方は、血液をサラサラにするお薬を飲んでおられるため、抜歯などの処置を行う際には細心の注意が必要です。治療のために服薬を休んでいただくと心臓疾患の発症リスクが上がってしまうため、基本的には休薬することはありません。そのため、出血を伴う治療はとても難しいのです。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は、服用できる薬剤に制限があります。そのため、必要に応じて腎臓内科の先生と連携しながら治療を行うことになります。外科的な治療が必要な場合には、腎臓に負担をかけない抗生物質や痛み止めが処方してもらえます。

糖尿病

糖尿病の方は、免疫が下がりやすくいろいろな病気に感染しやすい特徴があります。そのため、外科的治療を行った後の治りが悪くなる傾向にあります。歯科治療を行う際には、主治医の先生と連携をとりながら術前から薬を飲んだり口腔内のクリーニングを行うことが基本です。病気への感染リスクを抑えるため、お口の中の細菌をできるだけ少なくすることが求められます。

その他の疾患

有病者の方への治療のポイント

有病者の方への治療は、全身状態の評価やモニタリングなどが重要です。ここからは、有病者の方への治療で行われることを解説します。

全身状態の評価

治療を進める前に、患者さんの全身状態を把握します。疾患の程度や服薬内容などをお聞きした上で治療計画を立案し、必要に応じて患者さんの主治医の先生と連携しながらどこまで治療を行えるか慎重に検討します。

治療中のチェック・モニタリング

血圧計や心電計、パルスオキシメーターなどのモニターを使用して、全身状態をチェックしながら安全に治療が行えるように配慮します。

救急薬剤などの用意

降圧剤、昇圧剤、抗不整脈薬などの緊急時の薬や医療機器が用意されています。

知識や経験のある医師が対応

有病者歯科治療は、全身管理のトレーニングを受けた医師が行うことが多いです。そのため、どの歯科医院でも受けられるわけではありません。

お口の健康は全身の健康

お口のトラブル、特に歯周病菌は全身に悪影響を及ぼすと言われています。逆に、お口が健康だと全身の健康も期待できます。これまでに病気があるからと治療を断られたり、ご自分で控えてきた方は、ぜひ有病者歯科での治療をご検討ください。

お近くのかかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。

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