高齢化が進み訪問看護や訪問介護の需要が高まるなか、歯科治療においても施設や自宅で診療を受けられる「歯科訪問診療」を行う歯科医院が増えています。

そこで今回は、歯科訪問診療の診療内容や外来との違い、利用方法を詳しく解説します。

歯科訪問診療の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

歯科訪問診療診療とは

歯科訪問診療診療とは、病気や障害、加齢などで通院が難しい方を対象に、歯科医師や歯科衛生士が患者さんのいる自宅や施設を訪問し、歯科治療を行うことを指します。

歯や歯ぐきを健康に保ち続けることは生活の質を向上させることにつながるため、通院が難しくなった場合でも、歯科訪問診療診療を利用してメンテナンスを続けることが大切です。

歯科訪問診療の診療内容について

では、歯科訪問診療診療では、具体的にどのような診療を行っているのでしょうか。

ここでは、歯科訪問診療の診療内容について詳しく解説します。

むし歯や治療などの治療

歯科医院の診察室で行うような本格的な治療はできませんが、痛みや違和感などの症状を改善します。

むし歯や歯周病のような緊急性の高い箇所は優先的に治療を進め、お口の健康を保てるよう適切な処置を施します。

入れ歯の作成・調整

新しい入れ歯の作成、歯科医院に持ち帰っての修理、既存入れ歯の調整などにも対応しています。

残っている歯の状態を確認しながら、一人ひとりに合う入れ歯が長く使えるよう入れ歯を調整します。

摂食嚥下リハビリテーション

寝たきりの方は筋力低下が起こり、嚥下機能（飲み込む力）にも影響を及ぼします。

現状を検査し、噛む・飲むなどの動作をスムーズに行えるようリハビリテーションを行います。

嚥下機能が低下している方には、食べやすい介護食の作り方も伝授しているので、気軽に相談してみましょう。

クリーニング・口腔ケア

歯科医院への通院が難しい方はトラブルが起こらないよう、お口に汚れを溜めないことが大切です。

むし歯や歯周病の原因となるプラーク（歯垢）や歯石を除去してお口を清潔にしたり、磨き残しが少なくなるようブラッシング指導も行います。

定期健診

治療が完了すれば、治療した箇所に症状が再発しないよう、定期的なメンテナンスを行います。

お口の状況によって異なりますが、3ヶ月に1回ほどの受診がおすすめです。

継続的な治療や診療が身体的・精神的につらい方でも、数カ月に一度の検診であれば挑みやすいかもしれません。

歯科訪問診療診療の利用方法

歯科訪問診療診療は、希望すれば誰でも利用できるわけではなく、原則として自力での通院が難しい人に限られます。

歯科訪問診療の利用条件は、次のようなものがあげられます。

• 病気、障害、要介護などで自力での通院が難しい方
• 利用先の訪問診療所から半径16km以内の場所

自宅だけでなく、入居している施設や入院先の病院で診療を受けることも可能です。（歯科や口腔外科のある病院では歯科訪問診療診療を受けられないケースがあります。）

また、治療を受ける本人が連絡できない場合は、家族やケアマネジャーなどの方が申し込むこともできます。

訪問する日程も歯科医院へ通院するときのように希望を伝えることができるので、体調を考慮しながら無理のない範囲で治療を受けられます。

細かい利用方法などは歯科医院によって異なる可能性があるため、詳しい内容は利用を検討している歯科医院へ問い合わせてみましょう。

歯科医院へ通えない方は歯科訪問診療診療を活用しよう

歯科医院への通院が難しくなっても、お口の健康を諦める必要はありません。

歯科訪問診療診療でも歯科医院で受ける治療と同等程度の治療が受けられるため、ぜひ利用してお口の健康を守りましょう。

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